一般的にアセスメントというと、評価や査定などの意味がありますが、看護分野のアセスメントは、情報収集を指しています。看護師が行うアセスメントには、バイタルサインや検査データに加え、患者や家族が発する訴えや話も含まれています。検査数値などの定量情報に加え、患者や患者を取り巻く人たちの考えや心の状態を反映した定性的な情報を収集する看護アセスメントは、適切な診断に役立ち、患者にとって最適な看護計画を立てる上で役立つことでしょう。看護師がアセスメントは、継続して行うべきであることは言うまでもありません。患者の検査数値が日々変化していくように、患者自身の考えや心理状態も変わっていきます。また、患者との信頼関係が築けていくと、今まで口にしなかった話をするようになり、新たな気付きを得られるかもしれません。実際、患者との信頼関係が構築できた結果、患者からの質問や相談が多くなり、発する言葉をきっかけに別の重大な病気の発見につながったということが報告されています。
看護アセスメントで失敗しがちな点の一つが、矢継ぎ早に質問をしてしまうことです。いくら適切な質問であっても、信頼関係が構築できていない患者に次々と質問を投げかけてしまうと、答える気にならないかもしれません。また、病状によっては体調悪化につながる危険性もあります。事前に質問内容を絞って、手短に行うと患者の負担にならずに済みます。加えて、普段から患者をよく観察するようにし、日々の変化に着目することも重要です。